about 和ろうそく

歴史

櫨(ハゼ)の実を使った和ろうそくの始まりは室町時代頃と言われています。その後江戸時代から江戸時代後期にかけて生産量はピークに達します。和ろうそくの消費は当時のごく一部の商人や武家が主で、一般の庶民は菜種油の明かりを使用していました。


櫨蝋

櫨蝋(ハゼロウ)はウルシ科の櫨の木の実を原料とします。畑の管理から櫨の栽培を一貫して行われているのは全国に2カ所(福岡県、長崎県)のみです。収穫された櫨の実を砕いた後、蒸して絞り出します。絞り出したそのままの蝋を生蝋、木蝋(しょうろう、もくろう)と呼び、3ヶ月の天日干しによって白くしたものを白蝋(はくろう)と呼びます。白蝋は口紅や化粧品の原料にも使用されています。


和ろうそくの芯は和紙とい草と真綿で作られています。い草は外皮をはぎ、中心のズイ(灯心)を使用しており、筒状にした和紙に巻きつけそれを真綿でとめて作られます。芯の製造は全て手作業。全国にわずか1件(奈良県)で行われいます。


製法

串に刺した芯に溶かした蝋をてで塗り重ねて作る昔ながらの方法で製造しております。ヘイズの和ろうそくは1本1本、全ての工程を手作業で行います。手で塗り重ねた和ろうそくの表面には手の跡が残り、断面は年輪模様に仕上がります。


灯火

灯した時に芯が蝋を吸い上げながら灯り続けるため、下に蝋が垂れることがありません。(注:風に煽られるなどして片燃えすると垂れる場合があります)またススが少なく、嫌な臭いもしないろうそくです。和ろうそくの灯火の波長は波や小川のせせらぎ同様「1/fの揺らぎ」の法則を持っており、灯火の揺らぎは人の心を癒す効果があると言われています。焚き火を囲むように和ろうそくを灯すと、その場には調和が生まれ平穏な時間が流れるでしょう。


芯切り

和ろうそくは芯が炭化し残るのが特徴です。芯切りという道具を使用し、長く残った焦げを摘んで取り除きながら灯して下さい。そうすることでより綺麗な灯火を楽しむことができます。「火を整える」という昔ながらの所作のひとつでもあります。